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遺言書について

  • 遺言書は自分で書くほうがいい? 第三者に頼むほうがいい?

    どちらのほうがよいとは一概に言えません。
    遺言書は大きく分けると「普通方式」、「特別方式」の2つに分類され、そのうち

   普通方式の遺言には「自筆証書遺言」、「公正証書遺言」、「秘密証書遺言」の3

   つがあります。
    もっとも手軽に作成できるのは「 自筆証書遺言 」ですが、紛失隠匿の恐れが

   ある、法的に無効になる恐れがあるなどの不安要素もあります。
    その一方で、「公正証書遺言」は公証人に作ってもらうため、紛失の恐れがな

   く、公証力が認められますが、手続が煩雑で費用がかかります。

  • 遺言書には何を書いてもいいの?

    遺言に書いて効力が生じるものは、大きく分けると、

     1、相続に関すること(長男の相続分は何分のいくつ、土地は次男に相続さ

      せる・・、など)

     2、財産処分に関すること(預金のうち、○○万円は、どこどこに寄付する、

      など)

     3、身分に関すること(結婚していない人との間に生まれた子どもの認知、な

      ど)

     の3つがあります。

      「葬式は質素にしてほしい」「臓器を提供したい」「ペットの面倒を見てほし

     い」「海に散骨してほしい」などの希望を盛り込んだ内容には法的な効力が

     なく、これらについては必ず実行されるという保証はありません。
     残された遺族の判断に委ねられます。

 

  • 遺言書は何歳から書けるの?

     満15歳に達した人なら原則として誰でも書くことができます。

 

  • 遺言書が出てきた。開封してもいい?

     いいえ、いけません。絶対に開封しないでください。
     遺言書の開封は、家庭裁判所で相続人またはその代理人の立会いのもと

    で行わなければなりません。これに違反し、勝手に開封すると、5万円以下の

    過料に処せられます。

  • 遺言書の文字が読めない。どうすればいい?

     墨で真っ黒に塗りつぶされるなど、まったく読みとれない場合には無効となり

    ます。
     ただし、癖字であったり、達筆すぎて文字が読めない場合には、裁判所や専

    門家に依頼し、文字の判読をしてもらいます。

  • 遺言書の日付があいまいだ。その場合も有効なの?

     いいえ、日付が特定できないものは無効となります。
     ○年○月○日という書き方以外でも、「満60歳の誕生日」などと特定できるも

    のであれば有効です。

  • 他人の添え手の補助を受けて遺言を書いたようだ。その場合も有効なの?

     はい。他人の意思が含まれていないと判断できる場合は有効です。

  • 両親が二人でひとつの遺言書を作っていた。その場合も有効なの?

     いいえ、無効です。内容は同じでも、別々の書面で作成しなければなりませ

    ん。

  • 法定相続分に反する遺言でも有効なの?

     はい、有効です。しかし、残された遺族のための最低の保証として、遺留分

    という制度があります。

 

  • 遺留分とは何?

     遺留分とは、相続人に最低限確保されている相続分の割合のことです。
     亡くなった方が遺言で家族以外の第三者に財産を贈与したり、特定の家族

    だけ相続分を少なくすると、残された家族が生活に困ることもあります。
     そこで、民法では、相続人に一定の相続分を保証しています。
    遺留分があるのは、配偶者、子です。直系尊属(親・祖父母など)が相続人に

    なる場合は、直系尊属にもあります。兄弟姉妹に遺留分はありません。

 

  • 遺留分の割合はどのくらい?

    法定相続分の半分です。

    たとえば、

    1、 配偶者と子2人が相続人の場合の遺留分の割合

        配偶者 2分の一×2分の一=4分の一

        子それぞれ 4分の一×2分の一=8分の一

 

    2、 配偶者と父母(直系尊属)が相続人の場合の遺留分の割合

        配偶者 3分の二×2分の1=3分の一

        父母それぞれ 3分の一×2分の一×2分の一=12分の一

    

    3、 配偶者と兄弟姉妹がいる場合の遺留分割合

        配偶者 は2分の一

        兄弟姉妹は遺留分なし。

 

  • 遺留分を侵害する内容の遺言は、無効?

     遺留分を侵害する内容の遺言でも、当然に無効にはなりません。
     遺留分を侵害された相続人でも、遺留分を主張するかどうかはその相続人

    の自由ですから、主張しなければ遺言どおりに相続されることになり、遺留分

    を主張(遺留分減殺請求)されると、その限度において遺言の内容が否定され

    ることになります。

  • 遺留分を侵害された。遺留分の割合を相続するにはどうしたらいい?

     遺留分を侵害している人に、財産の返還の請求ができます。
     これを遺留分減殺請求といいます。詳しくは専門家に聞いてください。

 

  • 家庭裁判所の検認とは、どのような手続をいうの?

     遺言書の偽造や変造を防ぐために、家庭裁判所がその遺言の方式・内容等

     を調査し、遺言を確実に保存するために行われる手続のことを「検認」とい

    います。

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